ピエモンテ州、アスティ市の南２０キロのところにあるブッビオという小さな村にある。
１９８５年より有機栽培に切り替え、１９８７年AIAB(Associazione Italiana Agricoltura Biologica) の認定を取った。現在７ヘクタール所有する。
当主のマリオ氏とジャンフランコ・トッレリ氏は完熟したブドウのみを使うため、収穫は２回に分けて手摘みで行う。土壌はアルジロ・カルケールでモスカートに適しているそうだ。モスカートはステンレスタンクでアルコール発酵させ、４％程になったところで密閉し、そのまま１．８℃で急冷し発酵を止めて保存する。瓶詰めは１１月と２月にわけて行うが、瓶内で再発酵しないよう珪藻土でマイクロ・フィルターをかけ、残っている酵母を取り除く。甘口ワインだがベタつかず、飲むほどにすっきりしてくるのはブドウの果実がしっかりとした酸を持っているからだろう。
このモスカートは、この地で１６００年頃から造られているそうだが、当時は冷却するのが困難であったため、袋に入れて８回も濾過して酵母を取り除いたそうだ。
有機栽培は畑での仕事が多く、特に天候の悪い年は大変なんだ、とジャンフランコ氏が熱く語ってくれた。